【実践編】分野別検算:図形と方程式(軌跡)
今回のテーマは「図形と方程式」「軌跡と領域」です!
軌跡と領域では「正確な式変形と議論」が特に重要であり、確かに大学入試数学の中では難しい方の部類に入る問題も少なくありません。
そんな軌跡と領域問題ですが、方針にしたがって、「あること」に気をつけて進めばそこまでこわくないんだよ!と伝えたくて記事を書きました。
問題
Oを原点とする座標平面において、円:\(x^2+y^2=4\)の外部の点Aからこの円に2本の接線を引き、その接点をP,Qとする。線分PQの中点をMとし、Mの座標を\((s,t)\)とする。
(12 東京理科大・工)
(1) 点Aの座標が\((a,b)\)であるとき、\(a,b\)を用いて、点Mの座標\((s,t)\)を表しなさい。
(2) 点Aが直線:\(2x+3y=12\)上を動くとき、点Mの軌跡を求めなさい。
【注】この問題は別記事でも紹介しています。(1) の座標問題は、「分野別検算:座標」で解いているのでそちらをご覧ください。この記事では(2)から解説を始めます。
方針:軌跡と領域
軌跡と領域の問題でしばしば見かけるのが、「パラメータで表された点の動く範囲」を求めるものです。
① パラメータ表示された点を\((X,Y)\)とおく
② パラメータを\(\color{red}{X,Y}\)で表す(【重要】同値変形)
③ パラメータの条件を\(\color{red}{X,Y}\)の条件に言い換える
少し難しい話をしますが、なぜX,Yの条件を求めるかと言いますと、
【X,Yの束縛条件はX,Yのみたす方程式そのものである】
からです(重要なことなので改行しました^^)。この考え方で軌跡をたどっていきましょう!(←うまくない)
(2)の解答
$$ (1):A(a,b) \Rightarrow M(\frac{4a}{a^2+b^2},\frac{4b}{a^2+b^2}) $$
点Aが直線:\(2x+3y=12\)上を動くとき、\(M(X,Y)\)とおくと、$$ 2a+3b=12・・・[0] $$
$$ \left\{ \begin{array}{l} X=\frac{4a}{a^2+b^2}・・・[1] \\ Y=\frac{4b}{a^2+b^2}・・・[2] \end{array} \right. $$ ここで、\({[1]}^2+{[2]}^2\):\(X^2+Y^2=\frac{16}{a^2+b^2} (≠0) \)なので、 $$ \left\{ \begin{array}{1} [1]÷ \bigl({[1]}^2+{[2]}^2 \bigr) \\ [2]÷ \bigl({[1]}^2+{[2]}^2 \bigr) \end{array} \right. \Leftrightarrow \left\{ \begin{array}{1} a=\frac{4X}{X^2+Y^2} \\ b=\frac{4Y}{X^2+Y^2} \end{array} \right. $$
したがって、この\(a,b\)の値を[0]に代入すると、$$ 2 \frac{4X}{X^2+Y^2}+ 3 \frac{4Y}{X^2+Y^2}=12 $$ $$ \Leftrightarrow \frac{2}{3} X + Y = X^2+Y^2 かつ (X,Y)≠(0,0) $$ $$ \Leftrightarrow (X-\frac{1}{3})^2 +(Y-\frac{1}{2})^2=\frac{13}{36} かつ (X,Y)≠(0,0) $$
以上より、求める軌跡は「円:\(\color{red}{(x-\frac{1}{3})^2+(y-\frac{1}{2})^2=\frac{13}{36}}\)から原点を除いた曲線」
同値変形!
軌跡と領域の問題を解く重要なカギの一つに、同値変形があげられます。
普段何気なく同値変形をはじめとする式変形をされていると思いますが、複数のパラメータが絡むと途端に誤った同値変形になってしまうケースが増えます。つまり、正確に\((a,b)→(X,Y)\)ができなくなります。
これは、おそらく同値変形を正しく遂行することができてないかと思われますので、
いつもに増して同値変形の基本に忠実であることが重要になってきます。
検算:代入、対称性、連続性
代入
(1)の解説記事でも紹介していますが、代表的な点Aをいくつか考えてそれらが求めた軌跡上にあるかの「代入による逆算」も有効です。
【例】直線:\(2x+3y=12\)をみたす点\((6,0)\)の場合
(1) の式に\(a=6,b=0\)を代入して得た\(\color{red}{M(\frac{2}{3},0)}\)は、求めた軌跡上にあります。
対称性
これも前記事と同じく、点\((a,b)\)を[/latex]X,Y[/latex]で表した段階では、\(X,Y\)に関する対称性がみられることを期待します。
先ほどの解答を確認すると、 $$ a=\frac{4X}{X^2+Y^2}, b=\frac{4Y}{X^2+Y^2}・・・\color{magenta}{対称!} $$
連続性
軌跡と領域以外でも活躍しますが、「連続性」の考え方は非常に強力です。
点Aが直線:\(2x+3y\)上を連続的に動くので、求めた軌跡も連続した図形になって然るべきです。
(ただし、原点を除いているのは、原点は直線上の無限遠の点の操作後の点だからと除く考えます)







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