【応用編】第1回東大オープン:軌跡と領域(文系第1問)

今回のテーマは「軌跡と領域」です!

実際に今年の東大オープンで出題された問題を通して、軌跡と領域の解き方を確認していきましょう!

問題

座標平面上に点A \( (1,1) \) と直線\( l\):\(y = – x \) がある、実数\( t\)に対して、\( l\)上の点\( (t, – t) \)を中心とする円Cがあり、Cは次の条件を満たしている。
条件: AはCの外部にあり、AからCへ引いた2本の接線は直交する。

(1) \( C\)の半径を\( t \) を用いて表せ。
(2) \( t\) が実数全体を動くとき、Cの通過する領域を求め、座標平面上に図示せよ。

(2020 第1回東大オープン)

方針

(1)具体的に状況を思い浮かべることから始めましょう!

(2) 軌跡と領域の問題ではよくある解き方ですが、

領域に属している点\( (X, Y) \)が満たすべき条件を考える

今回ですと、

・領域に属している点は、ある円Cの周上または内側にいることが条件

・この円Cに対応する実数\( \color{red}{t}\)が存在することが条件

解答

2本の接線の直交

円の外部の点から円に引いた2本の接線が直交するとき、図より、示された四角形は角度が全て直角であり、となり合う辺の長さが等しい(円の半径)ので、正方形である。

したがって、円Cの半径を\( r (r>0)\)、中心をBとすると、$$ AB = \sqrt{2} r $$ $$ \Leftrightarrow {AB}^2 = 2 {r}^2 $$ $$ \Leftrightarrow (t – 1)^2 + (t + 1)^2 = 2 {r}^2 $$ $$ \Leftrightarrow r^2 = t^2 + 1 $$ 両辺正なので、平方根をとって $$ \color{red}{r = \sqrt{t^2 + 1}} $$

円の通る領域

点P\( (X,Y) \)が求める領域の中にあるための条件は、

点Pを含むような円Cが存在する

\( \Leftrightarrow (x – t)^2 + (y + t)^2 ≦ r^2 \)・・・[1] を満たす実数\( t\)が存在する

(1)より \( r^2 = t^2 + 1 \)であるので、

$$ [1] \Leftrightarrow (x – t)^2 + (y + t)^2 ≦ t^2 + 1 $$ $$ \Leftrightarrow t^2 + 2(y – x) t + x^2 + y^2 – 1 ≦ 0 $$

したがって、上の式の判別式をDとすると、求める条件は $$ D ≧ 0 $$ $$ \Leftrightarrow \frac{D}{4} = (y – x)^2 – (x^2 + y^2 – 1) ≧ 0 $$ $$ \Leftrightarrow xy ≦ \frac{1}{2} $$ これを図示すると、以下の斜線部分を得る(境界含む)。

検算

常識的な検算

とても自然な考え方ですが、求めた領域が、円が直線\( y = – x \)に沿って動いたあとになっているか、感覚的にわかると思います。

さらに今回は、領域に点Aが入っていないことに注意してください!

検算のとき、まずこの考え方から入るクセは、不等号が逆転してしまったときなどに瞬時にわかるため、ぜひ身につけたおいてください。

対称性

この問題の特徴の1つとしては、平面上の状況が直線:\( y = x , y = – x\)に関して対称であることが挙げられます。

したがって、求めた領域もこの2本の直線に関して対称であっても不思議なことではありません。

代入

たまに不等号が逆転してしまい、反対の領域を描いてしまうことがあります。

代入して確認すると、この事故を防げる確率は上がります。