【第1回東大実戦】文系第4問:関数
2020年東大実戦の文系数学 第4問です!
数2の「微分」からの出題となりました。
(1) の文字固定の誘導がないと少し息の長い問題になってしまいますが、(1), (2) はともに微分をするだけでほとんど終わる問題なので、比較的解きやすかったかなと思います!
難易度、所感はこちら↓
問題
実数 \(x,y \)が $$ x>0, y>0, x^2 + y^2 < 1 $$ を満たして変化する。
(1) \( \sqrt{x^2 + y^2} \)が一定値 \( r \)であるとき、\( x^2 y (1 – \sqrt{x^2 + y^2} ) \)の最大値を\( r\) を用いて表せ。ただし、\( 0 < r < 1 \)とする。
(2) \( x^2 y (1- \sqrt{x^2 + y^2}) \) の最大値を求めよ。
方針
(1) \( r \)が一定値のとき、括弧()の中身も一定です。したがって、\(x^2 y \)の部分の最大値を求めにいくのが自然な発想ですが、2文字では処理できません。そこで、問題文にある式を利用できないか考えます。
【 \( \color{red}{\sqrt{x^2 + y^2}} = r \) の利用】
① \( x \) を消去して\( \color{red}{y} \) の3次関数に持ち込む
② \( x = r \cos{\theta}, y = r \sin{\theta} \) の円周上の点の表記で \(\color{red}{\theta} \)のみの式に持ち込む
(2) (1)の誘導に乗って、文字固定を解除しましょう。\( r \) は\( 0 < r < 1 \)の範囲を動くのに注意しつつ、微分しましょう。
解答:最大値をrで表す
\( 1- \sqrt{x^2 + y^2} = 1 – r^2 \) は、\(0< r < 1 \) が一定値のときに一定の正の値であるので、以下は\( x^2 y \) の最大値を考える。
① :xを消去
\( x^2 = r^2 – y^2 \) なので、\( f(y) = x^2 y = y (r^2 – y^2) \) とおくと、$$ f'(x) = r^2 – 3 y^2 $$ $$ = – (\sqrt{3} y + r )(\sqrt{3} y – r ) $$ \(y\)の取りうる値の範囲は、\(x^2 = r^2 – y^2 > 0 \) なので、以下の増減表を得る
| \( y \) | ( 0 ) | ・・・ | \( \frac{r}{\sqrt{3}} \) | ・・・ | ( r ) |
| \( f'(y) \) | ー | 0 | + | ||
| \( f(y) \) | ( 0 ) | ↗︎ | \( \frac{2 \sqrt{3}}{9} r^3 \) | ↘︎ | ( 0 ) |
したがって、求める最大値は $$ \frac{2 \sqrt{3}}{9} (1 – r) r^3 $$
②:θで表す(途中まで)
\( x = r \cos{\theta}, y = r \sin{\theta} \)とおくと、$$ x^2 y = r^3 \cos^2 {\theta} \sin{\theta} $$ $$ = r^3 (1 – \sin^2 {\theta} ) \sin{\theta} $$ このように\( \color{red}{\sin{\theta}} \) の3次関数に落とし込むことで、微分して増減を調べたら終わりです。
解答:文字固定を外す
(2) \( r \) を\( 0< r < 1 \) の範囲で動かすときの関数\( g(r) \) の最大値を求める。 $$ g(r) = \frac{2\sqrt{3}{9} (1 – r) r^3 $$ $$ g'(r) = \frac{2 \sqrt{3}}{9} r^2 (3 – 4 r) $$ したがって、以下の増減表を得る
| \( r \) | ( 0 ) | ・・・ | \( \frac{3}{4} \) | ・・・ | ( 1 ) |
| \( g'(r) \) | ー | 0 | + | ||
| \( g(r) \) | ( 0 ) | ↗︎ | ↘︎ | ( 0 ) |
以上より、求める最大値は $$ g(\frac{3}{4}) = \frac{2 \sqrt{3}}{9}× \frac{1}{4}× (\frac{3}{4})^3 = \color{red}{\frac{3 \sqrt{3}}{128}} $$
検算
次元解析
(1) において、\( \color{red}{x,y,r} \) は長さの単位をもつとすると、与えられた式は
(長さの3乗) { 1 – (長さの1乗)}
という形になっています。したがって、これを \( x,y \) で表そうが \(r\) で表そうが次元は変わらないはずです。
概算
すごく大まかな話ですが、求めた値がだいたい合っているかを確かめます。
仮に、\( \color{red}{x = y = \frac{1}{2} } \)とすると、\(\sqrt{2} ≒ 1.4, \sqrt{3} ≒ 1.7\)であり、 $$ x^2 y (1 – \sqrt{x^2 + y^2} ) $$ $$ = \frac{1}{8} (1 – \frac{1}{\sqrt{2}} ) $$ $$ ≒ \frac{1}{8} (1 – \frac{5}{7}) $$ $$ = \frac{1}{28} $$
これと(2)で求めた値を比較すると、 $$ \frac{3 \sqrt{3}}{128} ≒ \frac{5}{128} = \frac{1}{25.6} $$ つまり、先ほどの仮の値は、求めた値と同じくらいの大きさで、求めた値よりも小さいのでおおよそ合っていると思われます。
代入
(1), (2) で求めた\( r, y \)の値から、\( x^2 y (1 – \sqrt{x^2 + y^2 } ) \) に \( x,y \)の値を代入することで確かめることができます。



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