【第1回東大実戦】文系数学:所感

8月 19, 2020

総評:やや易

整数、場合の数、三角関数、微分の4分野からの出題が見られました。

全体的には取り組みやすい問題が多く、親切な誘導によりとっかかりも掴みやすく感じた方も多いのではなかったかなと思います。

解きやすさに関しては慣れなどの個人差もありますが、例えば次のような解く順番が考えられます。

4:微分 →(3:三角関数)→ 1:整数 → 2:場合の数 → (3:三角関数)

今回、解けなかった問題があった方はその分野の基本事項をもう一度おさらいし、自分の方針の選択計算ミスの箇所を省みましょう!

各評

整数:やや易

(1) :

典型的な整数解を探す問題です。単純に探そうと思うと難しいですが、「ユークリッドの互除法」を用いた解答や、単に気合いで探すことで見つかります。実践的には、ユークリッドの互除法を知らなくても、これが解けないと大問がほぼ0点になってしまうので見つかるまで試す泥臭さが大事です。

(2) :標準

整数を積の形にすると4通りの場合わけに帰着されます。そのうち2通りは簡単に処理され、残り2通りは (1) が使えることに気づけばすぐです。

しかし、整数問題は意外に記述する日本語の量が多く、解答作成に時間がかかることもあり、標準的な処理量に思いました。

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場合わけ:標準

(1) :易

問題文の意味さえわかれば正解できる問題です。

(2) :易〜やや易

上に同じく、選ぶ2つの小正方形さえキチンと場合わけすればすぐに片付く問題でした。

(3) :標準

少しやっかいで間違えやすい数え上げでしたが、部分的な数え上げは高々32通りであること、また余事象という方針を取れることも考えると、標準的な問題です。この問題を苦手に感じ方や、後回しにしてしまった方は戦略的には間違ってはいませんが、同じような数え上げの問題の練習をするといいでしょう。

(1), (2)の問題は(3)に向けた誘導の意味もあるので、配点がおそらくそこまで高くないこと、また、場合の数の問題も意外と答案作成に時間がかかることを加味すると、全体的には標準的な処理量ではないかなと感じました。

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三角関数:やや易〜標準

三角関数をテーマにした、式と証明に関する出題です。

方針が何通りか考えられ、なかにはすぐに終わるものもあれば根性を要するものもありました。しかし、実戦では根性のいる式の証明問題も出題されうるので、「歩み寄る」ことなどを念頭に根性よく解き進められた方は実力十分です。

前提となる等差数列は三角関数ベース、証明すべきことは長さベースであることから、正弦定理・余弦定理の利用が思い浮かばなかった方はもう少し三角関数に慣れ親しんで、感覚を養ってください!

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微分:やや易

(1) :やや易

2変数関数の問題で、文字固定して1文字の議論に持ち込む部分でした。とはいえ、実際にやることは微分だけなので、そこまで苦労はして欲しくありません。この問題を間違えてしまうと、取れたであろうはずの(2)も芋づる式に落としてしまう時間も無駄にしてしまう2重のダメージですので慎重に解答・検算しましょう。

受験で重要なのは、「みんなが取れない問題をとる」ことよりも「みんなが取れるような問題は落とさない」ことが点数・メンタル的に重要です!!

(2) :やや易

(1)で求めた関数を微分して最大値を求めるだけという問題です。変数の取りうる値の範囲に注意してください。

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検算ポイント

今回のセットで、個人的に検算して欲しかったポイントを挙げていきます。

全ての問題で検算するのが理想ではありますが、ほとんど自明な2-(1)や、証明問題で検算しづらい3などでは検算を探すよりも解答を一度追うほうがが現実的かもしれません。

しかし、以下に示す問題は、比較的重要な問題であるうえ、検算しやすいのでぜひそうしてほしいです。

・1-(2)

(1) で間違える可能性はそこまで高くないですが、場合わけと計算を経てたどり着いた(2)で間違えていたらロスが大きいので、4つの値くらいならチェックしておきたいところです。

(適当な計算ですが)1つの値が約4点の重みがあるとすると、検算する価値はあります。

・2-(2)

(3)は数え上げの方針ですと、場合わけが多く、時間があれば見直しに時間を割いて欲しいですが、(2)は短時間で再確認できるのでぜひ抑えてほしいポイントです。

4-(1)

今回のセットの最重要検算ポイントといっても過言ではありません。比較的平易ですが、(1)を間違えると(2)が自動的に0点になるという無慈悲な問題であり、ここでの計算ミスは(2)の部分点にすらならない可能性が高いので、ぜひ検算・見直ししてください…

記事で紹介した(1) 次元解析・代入 (2) 概算・代入( (2)で気づくのは痛手ですが気づかないよりはマシです…)の他に、計算をもう一度追う再計算と豊富な検算の手段があるので、この問題を落とす手はありません。