【応用編】分野別検算:三角関数

7月 20, 2020

今回のテーマは「三角関数」です!

実際に大学入試問題をとりあげて、三角関数問題の方針をおさえ、さらに検算の方法を確認していきましょう!

問題

3角形\(ABC\)において、以下の式を満たす定数\(\alpha, \beta\)を求めよ。$$ \cos{A}+\cos{B}+\cos{C}=\alpha\sin{\frac{A}{2}}\sin{\frac{B}{2}}\sin{\frac{C}{2}} + \beta$$

(08 摂南大・薬)

方針

三角関数の計算問題には幾通りかのアプローチが考えられます。
今回もそうですが、この中から複数使うこともしばしばあります。

  • 三角関数の基本性質
  • 倍角・3倍角・半角公式加法定理
  • 積和、和積の公式
  • 正弦定理、余弦定理
  • \(\tan{\frac{\theta}{2}}=t\)

(細かいことですが、これらの関係式は少し重複もあります)

本問では、

①「三角形ABC」という情報から得られる数式、$$ A+B+C=\pi $$ $$ 0<A,B,C<\pi $$ を考慮すると、\(C\)などのどれか1文字が消去できそう→2文字が登場

② 右辺に\(\frac{A}{2},\frac{B}{2},\frac{B}{2}\) の半角が登場

することから、和積の公式半角公式を使ってみましょう

解答

\(\cos{A}+\cos{B}+\cos{C} \)
\(=\cos{A}+\cos{B}-\cos{(A+B)} \) ←\(C=\pi-(A+B)\)
\(=2cos{\frac{A+B}{2}} \cos{\frac{A-B}{2}} – (\cos^2{\frac{A+B}{2}}-1)\) ←和積半角
\(=2\cos{\frac{A+B}{2}} ( \cos{\frac{A-B}{2}} – \cos{\frac{A+B}{2}} )+1\)
\(=4\cos{\frac{\pi-C}{2}} \sin{\frac{A}{2}} \sin{\frac{B}{2}} + 1\) ←和積
\(=4\sin{\frac{A}{2}} \sin{\frac{B}{2}} \sin{\frac{C}{2}} + 1\)

検算

ここまできたら、検算をしてみましょう。
和積の公式や半角公式は意外とミスしやすい場所なので、要注意ですね!

三角関数の計算問題の代表的な検算方法は、数値代入による逆算(代入)です。自分に都合のいい(計算しやすい)数値を代入して、確かめてみましょう。

\(\cos{A}+\cos{B}+\cos{C}=4\sin{\frac{A}{2}} \sin{\frac{B}{2}} \sin{\frac{C}{2}} + 1\)について、
例: \(A=\pi,B=0,C=0\)のとき

(左辺)\(= -1 + 1 + 1 = 1\)

(右辺)\(= 4×0 +1 =1 \) と合致しますね。これで検算完了です!

おまけ①

この問題に限って言えば、未知数2つは2通りの数値代入を行うことで連立方程式から求められます。検算(別解)になるので実際にやってみてください!

おまけ②

上の検算の例で出した、\(A=\pi,B=0,C=0\)という数値設定ですが、「これは三角形の条件をみたしてないじゃないか!」とお思いの方もいるかと思います。

実は、今回の等式証明では\(A+B+C=\pi\)という三角形の内角和の条件のみを使っており、最初に紹介した\(0<A,B,C<\pi\)という条件は使っていないため、検算での例はこの条件を満たしていなくても成り立つのです。