検算の第一歩②:再計算、逆算、概算のメリット・デメリット

7月 19, 2020

前回の記事では、再計算・逆算・概算について次のように紹介しました。

  • 同じ計算をもう一度行う再計算
  • 同じ計算を逆から行う逆算
  • 大まかな値があっているかの概算
  • 異なるアプローチで答えを出す別解

今回は、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう!

まとめ

先に概観を把握してから各々見ていきましょう。

メリットデメリット
再計算目で追うだけで簡単、計算ミスの場所わかる同じミスをしやすい
逆算手軽に実験・検証できる確実ではないときも?
概算手軽にできる・ノウハウ次第確実ではない・ノウハウ次第
別解確実に答えあわせ別解がない・時間がかかる場合が多い
4つの検算方法の比較

再計算

再計算は、名前の通り、自身が行った計算を再び手を動かすか、目で追うかのいずれかです。

「同じ計算でラク!」と思うかもしれませんが、実は

  • 同じ計算ミスを見逃してしまう
  • 問題文を何かしら勘違いしているときは有効でない

という落とし穴があります。

逆算

計算の結果で得た答えに対して、
その答えはこれまでの計算式を満たしているのか?
という与えられた条件を満たすかのチェックが逆算です。

方程式や\( \sum \)(数列など)、微分積分においてかなりの威力を発揮します。実際に例題を交えてみてみましょう。

. 次の連立方程式を解け。
$$ \left\{ \begin{array}{l} 3x+2y=1 \\ 5x+7y=-2 \end{array} \right. $$

答. これを解くと、\( (x,y)=(1,-1)\) となりますが、
「答え出た、次の問題!」ではありません。ちゃんと得られた数値をもとの方程式に代入して成立を確認してください。手堅いですね^^

$$ 3×1 + 2×(-1) = 1 $$ $$ 5×1 + 7×(-1) = -2 $$

計算が面倒であれば片方だけで済ます場合もありますが、可能なら両方とも一瞬でこなしちゃってください

当然ですが、検算は練習すればするほどうまくなります

概算

おおまかな値を素早く計算する術を持っていれば、

  • 他の検算方法を実践する時間がない
  • 他の検算があまり使えなさそうである

ときでも、少し安心できるくらいには答えの確認ができる、強力な手法です

以下、小学生レベルの問題で大変申し訳ありませんが、みていきましょう。

. 次の計算をせよ。
(1) 78×82
(2) 81×81

答. 解答の前に、まず「これはだいたい80×80=6400に近いな」という大まかな感覚を持って頂きたいです。これを持っていると、答えがズレてきたときにいち早く気づけます。

このいち早くというのも重要で、気づくのがあまりに遅すぎると、試験などでは痛手になりかねません・・・

あえて工夫して解くと、(演習中にこういう概算を頭の中でできるようになるとバッチリですね!)
(1) \( (80-2)×(80+2) = 6400-4 =6396 \)
(2) \( (80+1)^2 = 6400+80×2+1 =6561 \)

オーバーキルですが、一の位も合致していますね!

別解

複数の解法で同じ解答にたどり着く検算方法です。

2つの別々の解き方なのに、独立に同じ解答を得たら、正解の確率はかなり高いです。

しかしながら、

  • そもそも2通りの解き方がない/思いつかない
  • 試験中に、2通りもの方法で問題を解いている時間がない

ため、あまり実践的でない場合がほとんどです。

場合の数の問題を例に見てみましょう。

. 3人で1回のジャンケンをするとき、あいこになる確率を求めよ。

答. 3人であいこになるのはグー・チョキ・パーが1つずつでる場合か、全員が同じ手を出す場合であり、3人が出しうる手の数は3×3×3=27通り、3人があいことなる場合の数は3×2+3=9通りなので、$$ \frac{3×2+3}{3^3} = \frac{1}{3} $$

検算で考える別解】あいこにならない確率を考えて、1から引く(余事象

  • 1人が残り2人に勝つ場合→どの手で勝つか3通り誰が勝つかで3通り
  • 2人が残り1人に勝つ場合同上

を考えると、求める確率は $$ 1- \frac{3×3×2}{3^3} = \frac{1}{3} $$

まとめ再び

いかがでしたでしょうか。検算にも何通りかの種類があり、それぞれの強みがあるのがいいですね^^

結論を言ってしまいますと、どの検算方法がいい、というわけではなく、使える場面に合わせながらこれらの合わせ技で自分の数学の解答をチェックしていくのが理想ですね。

実際に大学入試の問題など、上の例題に比べるとはるかに息の長い問題を解いていくときには、要所要所で検算をいれながら解き進めていくとかなり手堅いと思います。

次回は、問題を解くときの流れについて、検算の観点から説明したいと思います。それではまた!