【第1回東大実戦】文系第2問(理系第6問):確率

8月 19, 2020

2020年東大実戦の文系数学第2問(理系数学の第6問)です!

文系では (1)〜(3)と誘導形式の出題となり、比較的取り組みやすかったのではないでしょうか。

一方理系では、このような誘導がない出題となっていましたので、どこから手をつけたらいいのか、という方もいたかもしれません。全事象を考えることで少し状況をわかりやすくすることが大切でした。

難易度、所感はこちら↓

問題

1辺の長さが3の正方形が、図のように1辺の長さが1の9個の小正方形のマスに分けられている。
9個のマスのそれぞれを赤色または白色で無作為に塗る。

(1) 赤色で塗られている4個のマスからなる1辺の長さが2の正方形がちょうど3つ存在する確率を求めよ。

(2) ちょうど2つ存在する確率を求めよ。

(3) ちょうど1つ存在する確率を求めよ。

【理系】このような小正方形が存在しない確率を求めよ。

(問題文を一部改変)

方針

基本的には「数え上げ」の方向で進めていけるかと思います。 (1), (2) は場合の数が比較的に少ないのですぐに数えられますが、(3) や理系の問題は少し多いので「余事象」の考え方が有効です。

解答

9マスある正方形を無作為に塗る場合の数は、\(2^9 = \color{red}{512} \) である。

以下、各状況の場合の数を512で割ることで確率が求まる。


小正方形がちょうど3つある場合の数

小正方形がちょうど3つ存在する状況は、次図のように隅の1マスが白に塗られているものである。

したがって、どの角を選ぶかで4通りの場合がある。

求める確率は $$ \frac{4}{512} = \frac{1}{128} $$

小正方形がちょうど2つある場合の数

全てのマスが赤である小正方形を2つ選ぶ選び方は、\( {}_{4}C_{2} = 6 \) 通りあるが、
\((i) \) 4通りは下図Aのように縦・横に並んだ2つの小正方形
\((ii) \) 2通りは下図Bのように対角線に沿って斜めに並んだ2つの小正方形

の2つの場合がある。

\( (i) \) のとき:残りの3マスを図のように\(a,b,c\)とすると、\( (a,b,c) = ( \) 任意, 白, 任意 \( ), ( \) 白, 赤, 白 \( ) \) が考えられる。したがって、2×1×2 + 1 = 5通りなので、5×4 = 20

\( (ii) \) のとき:残りの2マスがともに白である場合のみの1通りなので、1×2 = 2

\( (i), (ii) \) より、求める確率は $$ \frac{20+2}{512} = \frac{11}{256} $$

小正方形がちょうど1つある場合の数

全てのマスが赤である小正方形を1つ選ぶ方法は4通り考えられ、対称性より同じ場合の数である。

したがって、次のような状況から、5つのマスの塗り方の場合の数を考える。

以下、余事象で考える。

残りのマスをどう塗っても、少なくとも1つの小正方形が存在するので、1〜4個で全事象である。

\( (i) \) 4つの小正方形が存在するのは、残りのマスを全て塗る1通り

\( (ii) \) 3つの小正方形が存在するのは、「aのみ白」、「cのみ白」、「eのみ白」の3通り

\( (iii) \) 2つの小正方形が存在するのは、(2)より11通り
・右の小正方形が赤・・・5通り
・下の小正方形が赤・・・5通り
・右下の小正方形が赤・・・aとeが白の1通り

\( (i) 〜 (iii) \) より、5個のマスの塗り方:\(2^5 = 32 \)から引くことで、17通り

したがって、求める確率は $$ \frac{17×4}{512} = \frac{17}{128} ・・・[検] $$

小正方形の個数4321合計
場合の数13111732

【理系】小正方形が存在しない場合の数

存在しない場合の数はそのまま数え上げるには多すぎると思うので、余事象の考え方で上の場合分けをすると、

小正方形の個数は

存在しない・1個・2個・3個・4個5通りで全事象

また、全部で512通りの塗り方が考えられることから、求める確率は $$ \frac{512 – (1 + 4 + 22 + 68) }{512} = \frac{417}{512} $$

小正方形の個数43210合計
場合の数142268417512

検算:別解

場合の数は検算がしにくい分野ではありますが、(3)で余事象ではなく数え上げで確かめられます。

(3) で求めた17通りという数に対して、

17通り、高々32通りなら数え上げが十分可能

という感覚を持ってください!

上図のように1つの小正方形の位置を固定すると、ちょうど1つの小正方形が存在するような5つのマス:\(a,b,c,d,e\)の塗り方は下のようである。

abcde

上の樹形図(見づらくてすみません…)と4つの小正方形の対称性より、場合の数は17×4=68通りなので、求める確率は $$ \frac{68}{512} = \frac{17}{128} $$

この数え上げ余事象の両面からの検算により、小正方形が3つ、2つ、1つ存在する場合がおおよそあっていることがわかります。