【基礎編】分野別検算:数列
今回のテーマは「数列」です!
数列や漸化式の基本問題・典型問題をおさえつつ、応用に向けた土台を築いて行きましょう!
数列問題の検算
これはほぼすべての数列の問題に共通する重要事項なので、先に記述しておきます。
数列の問題では特に、以下の点に気をつけながら解答を進めていきましょう
・\( \color{red}{n=1,2}\) のときの確認を忘れない!
数列の問題では特に、「1つズレる」ような状況が起こりやすくなっています。そのため、しっかりと初項やその付近の値の確認を怠らずに解きましょう!
数列問題は実質2パターン
問題に入る前に、高校数学の数列問題は
階差数列か等比数列に帰着させる
または
予想して数学的帰納法で証明する
これに尽きることを覚えておいてください。
それでは、練習問題へ!
小問集合
以下の条件で定められる数列{\( a_n \)},((5)では{\(b_n\)}も)の一般項を求めよ。
((1) 名古屋市大)
(1) \(a_1=2, a_{n+1}=3 a_n – 2 \)
(2) \(a_1=1, a_{n+1}=2 a_n + 2n \)
(3) \( a_1 = 1, a_{n+1}=2 a_n + 2^n \)
(4) \( a_1=0, a_1=1, a_{n+2}=a_{n+1}+6a_n \)
(5) \( a_1=b_1=1, a_{n+1}=a_n+4b_n, b_{n+1}=a_n+b_n \)
等比(定数)
長い目で見ると、この数列は「約3倍」ずつで増えていく等比数列型です。ではどうやって等比数列に帰着させるかというと、
\(\color{red}{ a_{n+1} – \alpha = 3( a_n – \alpha )} \) となる定数 \(\alpha\)を求める
辺々整理してもとの漸化式と比較すると、\(\color{red}{\alpha=1}\)なので、これを使います。
【ここまでは解答に書かない】
問題の式は\( a_{n+1}-1 = 3( a_n -1) \) と変形できるので、数列{ \(a_n-1\)}は初項1、公比3の等比数列である。
したがって、
\(a_n – 1 = 3^{n-1}・(a_1 -1) = 3^{n-1} \Leftrightarrow \color{red}{a_n = 3^{n-1}+1 } \)・・・[検]
【検算】\(n=1,2\)のとき、\(a_1=1, a_2=4\)と確かに一致する
等比(関数型)
定数が関数になっただけで、やることは(1)と変わりません。
\(\color{red}{a_{n+1} – f(n+1) = 2(a_n – f(n) )}\) となる関数\(f(n)\)を求める
ここで\(f(n)\)を1次関数:\(f(n) = an+b \)としてもとの漸化式と比較することで、$$ a_{n+1}=2a_n+3n $$ $$ a_{n+1} = 2a_n-an+a-b $$ 係数比較により、\(a=-3, b=-3, f(n) = -3n-3 \)
【ここまでは解答に書かない】
問題の式は\( a_{n+1} +3(n+2) = 2(a_n +3(n+1) ) \)と変形できるので、数列{\(a_n+3n+3\)}は初項7、公比2の等比数列である。
したがって、$$ a_n + 3n + 3 = 2^{n-1}・(a_1 + 3+3)= 7・2^{n-1} $$ $$ \Leftrightarrow \color{red}{a_n = 7・2^{n-1}-3n-3 } $$
【検算】\(n=1,2\)のとき、\(a_1=1, a_2=5 \)と確かに一致する
特殊型(n乗)
\(n\)乗が登場する漸化式では、両辺をn+1乗で割ってn乗を定数にすることで扱いやすくなります。
両辺を\(2^{n+1}\)で割ると、$$ \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}} = \frac{a_n}{2^n} + \frac{1}{2} $$
つまり、数列{\(\frac{a_n}{2^n}\)}は初項1/2、公差1/2の等差数列なので、$$ \frac{a_n}{2^n}= \frac{1}{2} + (n-1)・\frac{1}{2} = \frac{1}{2}n $$ $$ \Leftrightarrow \color{red}{a_n = n・2^{n-1} } $$
【検算】\(n=1,2\)のとき、\(a_1=1, a_2=4\)と確かに一致する
3項間漸化式
項が3つ登場する漸化式では、「1個ズレ」の状況を作りたいので、
左辺に\(\color{red}{a_{n+2},a_{n+1}}\)、右辺に\(\color{red}{a_{n+1},a_n}\)を登場させる
ことを目標に式変形をしていきます。
\(a_{n+2} – k a_{n+1} = (1-k) a_{n+1} +6a_n\)と変形できますが、$$ \color{red}{1:(-k)=(1-k):6} $$となってくれれば等比数列の完成です。このような\(k\)は、$$ k^2-k-6 = 0 $$ $$ \Leftrightarrow (k+2)(k-3)=0 $$ $$ \Leftrightarrow k=-2, 3 $$
【ここまでは解答に書かない】
問題の漸化式は次のように式変形できる $$ \left\{ \begin{array}{1} a_{n+2}+2a_{n+1}=3(a_{n+1}+2a_n) \\ a_{n+2}-3a_{n+1}= -2(a_{n+1}-3a_n) \end{array} \right. $$
つまり、数列{\(a_{n+1}+2a_n\)}は初項1、公比3の等比数列
また、数列{\(a_{n+1} – 3 a_n\)}は初項1、公比-2の等比数列である。
これにより、次の2式を得る $$ \left\{ \begin{array}{1} a_{n+1}+2a_n=3^{n-1} \\ a_{n+1} – 3a_n= (-2)^{n-1} \end{array} \right. $$ したがって、辺々引くことで $$ 5a_n = 3^{n-1}-(-2)^{n-1} $$ $$ \Leftrightarrow a_n = \color{red}{\frac{3^{n-1}-(-2)^{n-1}}{5}} $$
【検算】\(n=1,2\)のとき、\(a_1=0, a_2=1 \)と確かに一致する
連立漸化式
本問のように2種類の漸化式が与えられるような問題では、\(\color{red}{a_n + k b_n}\)が等比数列になるような定数\(k\)を探します。
$$ a_{n+1}+k b_{n+1} = (a_n+4 b_n)+ k(a_n+b_n)= (k+1)a_n + (k+4)b_n $$ これが等比数列となるための条件は $$ \color{red}{1:k = k+1:k+4 } $$ $$ \Leftrightarrow k^2=4 $$ $$ \Leftrightarrow k=±2 $$
【ここまでは解答に書かない】
問題の漸化式より、次の式を得る $$ \left\{ \begin{array}{1} a_{n+1}+2b_{n+1}=3(a_n+2b_n) \\ a_{n+1} – 2b_{n+1}=-( a_n – 2b_n ) \end{array} \right. $$
これより、数列{\(a_n+2b_n\)}は初項3、公比3の等比数列
また、数列{\(a_n – 2 b_n\)}は初項-1、公比-1の等比数列なので、
$$ \left\{ \begin{array}{1} a_n+2b_n=3^n \\ a_n – 2b_n=(-1)^n \end{array} \right. $$
したがって、辺々足し引きすることで、$$ \color{red}{a_n = \frac{3^n+(-1)^n}{2}, b_n = \frac{3^n – (-1)^n}{4} }$$
【検算】\(n=1,2\)のとき、\(a_1=b_1=1, a_2=5, b_2=2 \)と確かに一致する
まとめ
いかがでしたか?最終的には解法は演習を通して覚えてしまうものになりますが、
(1)、(2):両辺に定数や関数を足して等比数列を作る
(4)、(5):両辺に漸化式を何倍かして足し引きして等比数列を作る
というように、「どうやって等比数列を作るの?」という目標が根幹にあることを忘れないでください。
最後の検算も忘れずに!それでは良い検算ライフを〜
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