【実践編】分野別検算:微分(数Ⅱ)

7月 20, 2020

今回のテーマは「微分(数Ⅱ)」です!

大学入試で頻出のテーマですので、微分ならではの計算方法、考え方を身につけてください!

問題

関数 \(f(x)=x^3 -2x^2 -3x +4 \)の\(-\frac{7}{4}≦x≦3\)における最大値と最小値を求めよ。

(91 東大-文科)

これが大問1つとして出題されたときに多くの受験生は

「なんだこれ?計算するだけじゃん!」と思ったことと思います。

しかし、何も考えずにいきなり突っ込んでしまうと、計算地獄に遭います。

方針

まずは微分して増減表を書くまでは話が始まりません。

そこで、与えられた範囲での最大最小は値同士の比較になります。

必要あらば、面倒な値を高次の関数に代入するときのテクニック、「次数下げ」を駆使しましょう!

解答 Part1 (増減表)

\(f'(x)=3x^2 – 4x-3= 3(x- \frac{2-\sqrt{13}}{3} )(x- \frac{2+\sqrt{13}}{3})\)であるので、\(-\frac{7}{4}≦x≦3\)の範囲で考えると次の増減表を得る。

ただし、\(f'(x)=0\)となる\(x\)を\(\alpha,\beta(\alpha<\beta)\)とする。

【注意】どの問題でもそうですが、最初の計算ほど慎重に進めてください。ここで間違えてしまうと、あとの計算が意味なくなってしまいます!!

\(x\)\(-\frac{7}{4}\)・・・\(\alpha\)・・・\(\beta\)・・・3
\(f'(x)\)00
\(f(x)\)\(f(-\frac{7}{4})\)\(\nearrow\)\(f(\alpha)\)\(\searrow\)\(f(\beta)\)\(\nearrow\)\(f(3)\)

したがって、求める最大・最小値は

最大値:\(\color{red}{f(\alpha),f(3)}\)のうち小さくない方(同じ値の場合を考慮して)

最小値:\(\color{red}{f(-\frac{7}{4}), f(\beta)}\)のうち大きくない方

先を見通す

ここで、ちょっと手を止めます。この先にどのような計算が待っているでしょうか?

おそらく、4つの値を代入して計算し、比較するという未来が待っています。しかも、先ほど求めた\(\alpha,\beta\)は決してキレイとは言えない値です。

入試は解いたもん勝ちなので

他に方針が思いつかないならここから全力で計算するのも全然アリだと思います

しかし、前の記事を読んでくださった方なら3次関数のきれいな性質を用いたら計算が減らせることに気づいていただけると思います!

では早速解いていきましょう!(まだ読まれていない方は是非!)

解答 Part2(性質を利用)

・まずは最大値から考える。

\(y=f(x)\)の\(x=\alpha\)における接線:\(\color{red}{y=f(\alpha)}\)と\(y=f(x)\)の共有点を考える。点\((\alpha,f(\alpha))\)でない方の共有点の座標を\((x_a,f(\alpha))\)とすると、

\(x=\alpha\)(重解)\(, 2\)は3次方程式\(x^3-2x^2-3x+4=f(\alpha)\)の解である。

したがって解と係数の関係より、$$ \alpha+\alpha+x_a = 2 $$ $$ \Leftrightarrow x_a = 2-2\alpha = \frac{2+2\sqrt{13}}{3} $$ さらに、$$ \frac{2+2\sqrt{13}}{3} -3 = \frac{2\sqrt{13} -7}{9} = \frac{\sqrt{52}-\sqrt{49}}{9}>0$$ なので、増減表より、\(\color{red}{f(\alpha)>f(3)}\)

・最小値についても同様に、\(y=f(\beta),y=f(x)\)の極小点でない方の共有点を\((x_b,f(\beta))\)とおくと、

$$ \beta+ \beta+ x_b=2 $$ $$ \Leftrightarrow x_b = 2-2\beta = \frac{2-2\sqrt{13}}{3} $$ さらに、 $$\frac{2-2\sqrt{13}}{3} -(-\frac{7}{4})=\frac{29-8\sqrt{13}}{12}=\frac{\sqrt{841}-\sqrt{832}}{12}>0 $$なので、増減表より、\(\color{red}{f(-\frac{7}{4})<f(\beta)}\)

今後の方針

さて、ここまで得られたこととして、

最大値:\(\color{red}{f(\alpha)}\)、最小値:\(\color{red}{f(-\frac{7}{4})}\)

最小値の方は代入するだけで求められそうですね!

一方、最大値の方はと言いますと、\(\frac{2-\sqrt{13}}{3}\)を3次関数に代入して直接計算するのは大変そう・・・。というわけで、皆さんおなじみの次数下げをしてから代入しましょう!

解答 Part3(代入計算)

・最小値

以上より、求める最小値は(同じ色を先に計算しています) $$ f(-\frac{7}{4}) =\color{red}{-\frac{343}{64}} \color{blue}{-2(\frac{49}{16})}\color{blue}{-3(-\frac{7}{4})}\color{red}{+4} $$ $$ =\color{red}{-\frac{87}{64}} \color{blue}{-\frac{7}{8}}=\color{magenta} { -\frac{143}{64} }$$

・最大値

\(\alpha\)は\(\color{red}{f'(x)=3x^2-4x-3=0}\)の解なので、$$ 3{\alpha}^2 – 4\alpha-3=0 ・・・[1]$$ したがって、求める最大値は $$ f(\alpha)= {\alpha}^3 -2{\alpha}^2 -3\alpha +4 $$ $$ = \color{red}{(3{\alpha}^2 -4\alpha -3)}(\frac{1}{3} \alpha- \frac{2}{9})- \frac{26}{9}\alpha+ \frac{2}{3}$$ $$ = \color{red}{0}×(\frac{1}{3} \alpha – \frac{2}{9} ) – \frac{26}{9} \alpha+ \frac{2}{3} (∵ [1]) $$ $$ = -\frac{26}{9}・\frac{2-\sqrt{13}}{3} + \frac{2}{3}$$ $$ =\color{magenta} { \frac{38+26\sqrt{13}}{27} } $$

検算

【検算】この次数下げは多項式の割り算ですが、分数やマイナスなどが登場すると間違えやすくなります。そこで、\(= 0,1\)などの代入しやすい値を左辺と右辺に代入してあげることで検算できます。

\( \alpha=1 \)のとき、

(左辺)\(= 1-2-3+4=\color{magenta}{0}\)

(右辺)\(=(3-4-3)×(\frac{1}{3} – \frac{2}{9}) – \frac{26}{9}+ \frac{10}{3}\)
\(=(-4)×\frac{1}{3} + \frac{4}{9}=\color{magenta}{0}\)

まとめ

3次関数:8等分の箱

いかがでしたでしょうか?

まずは「極値をもつ3次関数の性質」を利用して、範囲が「8等分の箱」の内外のどちらにあるかを確認して最大・最小を与える\(x\)を求めました。

直接計算による値の比較を避けることで、計算量を減らしました

最後に、次数下げを行うことで、3次式を1次式に落とし込み、計算をラクにしました!$$ {\alpha}^3 -2{\alpha}^2 -3\alpha +4 =\color{blue} { -\frac{26}{9}\alpha +\frac{10}{3} } $$

このようにして、計算量が多くなりがちな微積分では、なるべく計算を

正確に・ラクに・検算しながら

進めていくことが鍵となりますので、この問題の解法だけでなく手強さも覚えて帰っていただけたらなと思います!

ではでは〜